CBDと皮膚のバリア機能
ケラチノサイト-肌をつくっているタンパク質
皮膚は私たちの体を守るバリアとして働いており、その役割の一つは、「体を傷つける可能性のある"活性酸素"から保護すること」です。
活性酸素は体内に多く存在しているもので、放っておくと細胞を傷つけ、肌の老化や病気を引き起こすことがあります。
その働きを担っているのが「ケラチノサイト」というたんぱく質で、これが肌の大部分を作っています。ただし、このケラチノサイトは外部のストレスに敏感なので、ちょっとしたことでダメージを受けやすいのです。
肌のバリア機能
肌は自己防衛システムを持っていて、活性酸素を自分で取り除くことができます。
そのシステムをコントロールしているのがNRF2とPPAR-γというものです。特にNRF2は、HMOX1という酵素を分泌させて、活性酸素を取り除き、炎症を防いでくれます。
CBDは肌のバリア機能を高める?
CBD(カンナビジオール)がこの皮膚のバリア機能を強化する可能性があることが、いくつかの実験で示されています。
たとえば、試験管の中で行われた実験では、CBDが肌の細胞に影響を与え、活性酸素の影響を抑える助けとなる特定のタンパク質の量を増やすことが確認されました。
また、別の実験では、マウスの皮膚にCBDを塗布したところ、肌の健康を保つためのタンパク質が増えたことがわかりました。
さらに、CBDは紫外線による肌へのダメージを調整する能力も持っていることが見つかりました。
CBDを含むヘンプオイルというものを使った実験では、肌のトラブルを引き起こす黄色ブドウ球菌が減少したことが確認されています。アトピー性皮膚炎の人ではこの菌が増えることが多いので、ヘンプオイルがアトピー性皮膚炎に有効かもしれないと思われています。
だからと言って、CBDがすべての皮膚の問題を解決するわけではありません。
一部の炎症を引き起こす皮膚疾患、例えば湿疹やアトピー性皮膚炎に対して、CBDが効果的な可能性があることはわかっていますが、まだ臨床試験でその効果が確認されているわけではありません。
これらの結果はすべて初期の実験的なものであり、人間の皮膚に対するCBDの具体的な効果を確認するためには、さらなる研究が必要です。
参考文献
・Sudhir M Baswan, et al., “Therapeutic Potential of Cannabidiol (CBD) for Skin Health and Disorders# Let's confirm the latest information on the effect of CBD on skin health.