大麻規制に関するパブリックコメントとは?

大麻規制に関するパブリックコメントとは?

先日発表された大麻取締法の改正案に関するパブリックコメントの詳細・問題点から提出方法まで記事としてまとめてみました。

こちらの記事を執筆するにあたり、ロキさんをはじめ多くのカンナビノイド事業者様のツイートを参考にさせていただきました。ありがとうございました!

パブリックコメントとは?

パブリックコメントとは2005年に交付された意見公募手続きのことです。

国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています。

今回大きな話題となっているのは、厚生労働省から募集された下記の政令についてのパブリックコメントです。

大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令

今回の政令の内容について詳しく紹介していきます。

今回の政令の内容は?

今回の政令の内容は大きく分けて4つに分かれます。

  1. 農作物としての大麻のゼロ基準を法令で0.3%とすること
  2. 最終製品についてのゼロ基準が定められた
  3. THCAを麻薬に追加すること
  4. 募集期間は5/30~6/29まで

農作物としての大麻のゼロ基準を法令で0.3%とすること

農作物としての大麻の基準が0.3%になります。諸外国の基準も0.2%~1.0%なことが多く国際的にも妥当な基準かなと思います。

最終製品についてのゼロ基準が定められた

最終製品(CBDの製品化)におけるゼロ基準が下記のように定められました。

オイル 10mg/kg=0.001%=10ppm
飲料 0.1mg/kg=0.00001%=0.1ppm
その他 1mg/kg=0.0001%=1ppm

 

こちらは諸外国と比べても極めて厳しい数字で、CBD市場全体が損害を受けると言われており、今最も話題になっている部分です。のちほど詳しく説明します。

THCAを麻薬に追加すること

THCAは麻薬に分類されることになります。現時点でTHCと呼ばれる、Δ9-THC、Δ8-THCなどは既に麻薬に指定されています。

THCAは加熱・加温などの刺激で簡単にTHCに変化してしまいます。THCの前駆体であるTHCAが規制されるのは妥当と言えます。

募集期間は5/30~6/29まで

今回のパブリックコメントの募集期間は、

2024年5月30日10時0分から2024年6月29日0時0分まで

となっています。

今回のCBDパブリックコメントの問題点

今回のパブリックコメントで話題となっているのは下記3つです。

  1. 最終製品についてのゼロ基準が厳しい
  2. ブロードスペクトラムCBDが使えなくなる
  3. 分析コスト・検査コストが増大する。

ユーロモニターインターナショナルのデータによると、日本国内のCBDユーザーは約58万8000人いると推定されています。市場規模は約240億円で、500社以上のCBD事業者により形成されています。

今回のパブリックコメントで、CBD関連の産業、研究業界が混乱し、社会的な悪影響も生じうると言われており話題になっています。

最終製品についてのゼロ基準が厳しい

今回の法案で最も物議を醸しているのは、最終製品についてのゼロ基準が厳しすぎることです。ゼロ基準とはTHCが含められてないと見なされる基準です。下記今回の改正案のゼロ基準です。

オイル 10mg/kg=0.001%=10ppm
飲料 0.1mg/kg=0.00001%=0.1ppm
その他 1mg/kg=0.0001%=1ppm

 

上記の表にある通り、オイルなら10ppm、飲料なら0.1ppm、その他(原料など)の場合は1pmmまでのTHCは許されるということがわかります。

ただ、改正前時点でのその他(原料など)で許容されていたTHC上限値は、実質0.02%=200ppm程度だったため改正案はこれまでの200倍厳しい基準へと変更されます。

もし200倍厳しい基準が採用された場合、下記の問題が起こると考えられます。

  1. 今流通しているCBD商品のほとんどが使えなくなる可能性あり
  2. CBD関連の産業、研究業界が混乱し、社会的な悪影響が生じうる
  3. 現行のCOA(成分分析証明書)が意味をなさなくなる

今日本中で使われているCBD商品のほとんどが使えなくなる可能性があり、CBDにより助けられていた人々が苦しめられます。また今流通しているCOA(成分分析書)は、基準が変わるので10月以降に意味をなさなくなります。

WHO(世界保健機関)が製品基準としてTHC濃度0.2%を勧告しており、国際基準を参考にするのであれば、0.2~0.3%が妥当な値だと思います。

そもそもTHCが入っていると違法ではないの?と思う方もいると思いますが、完全に除去することは非常に難しく、200ppm以下ならCOA(成分分析証明書)では、THC検出なしと記載されています。

ブロードスペクトラムCBDが使えなくなる

ブロードスペクトラムCBDの商品を日本で使うことが困難になります。ブロードスペクトラムは、特殊な製法を用いてTHCだけを選択的に除去されることで作られます。従来の基準では、THCの含有率が200ppmまで認められていたので作成が容易でした。ただ基準が1ppmとなると、製品を作れる企業は極めて限定され、入手が困難になりコストも非常に高くなるでしょう。

またブロードスペクトラムCBDの効果は数多くありますが、てんかん患者(日本国内の患者は60万人〜100万人程度)に使用されることが多いです。

X上にもブロードスペクトラムCBDによって、助けられていた方々が多く見受けられました。10月以降は使用できなくなる可能性が高いです。

ブロードスペクトラムCBDとは...?

CBD製品の一種で、カンナビス植物に含まれる複数のカンナビノイドやテルペンを含んでいるものの、精神活性成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)が除去されているもの。

検査コストが増加し、混乱を招く可能性がある

検査環境を整えて運用するコストが約1億円以上かかるようになると予想されることから、自社で原料を検査できない業者が増えることが考えられます。

さらにCBDの性質として微少量のTHCに化学変化することも考慮しなければなりません。保管方法によっては意図せず基準値を超えてしまう可能性があり、大きな混乱を招く可能性があります

また1ppmという超微量なTHCを検出するためには、従来とは異なる検査機械を導入しなければなりません。今までは、汎用的に使われてきたHPLCという検査機器によって、成分の管理やテストを行っていました。

これからは1ppmのTHCを検出するために、LC-MS/MSという公的機関や大学は使えても民間の企業が使うのは難しいとされる、検査機械を導入しなければなりません。

HPLCとLC-MS/MSの費用は下記のとおりです。 

  費用
HPLC 約200~1,000万円
LC-MS/MS 約3,000~8,000万円

 

費用が桁違いに大きいことがわかりますね。

さらに、機器の運用コストや保守費用、専門的な人材などのコストもLC-MS/MSでは、より高価になり、1億円以上は予算が無いと厳しいことが予想されます。

検査する価格が大幅に増大したため、ユーザーに届く商品の価格も上昇傾向になる可能性があります。

CBDパブリックコメントの提出方法

  1. こちらのリンクにアクセス
  2. 添付されている6つのPDFを開く
  3. パブリックコメントを入力

Step1:こちらのリンクにアクセス

こちらリンクをクリックすると下記のページに移ります。今回の案件番号や定めようとする命令の題名が記載されています。

 

Step2:添付されている6つのPDFを開きます。

下記の6つのPDFを開いて内容を確認しましょう。今回の政令に関して詳細に書かれています。

それぞれのPDFで書かれている概要は下記のとおりです。

  1. 意見公募要領について
  2. 今回の命令概要について
  3. 農作物としての大麻のゼロ基準は政令で0.3%とすることについて
  4. 最終製品に関してのゼロ基準について
  5. Δ9-THCA並びにΔ8-THCAが新たに麻薬に追加されることについて
  6. 最終製品のゼロ基準をそれぞれ10ppm、0.1ppm、1ppmとした根拠について

 

締切は6月29日の0時0分までなのでご注意ください。

これらのPDFを全て読み終えたら、下にスクロールして「意見募集要項(提出先を含む)の全部を確認しました。」にチェックマークを入れます。

そしたら、「意見入力へ」をクリックします。

STEP3:パブリックコメントを入力

最後に提出意見の欄にパブリックコメントを入力して提出しましょう。

C&Hのパブリックコメント(一部抜粋)

CBD 製品のTHC ゼロ基準(上限値)は1000ppm(0.1%)が妥当。最低でも100ppm(0.01%)は必要。あるいは、上記の文献より、CBD製品に限り、CBDを100%としたときCBDに対するTHC量は0.1%未満という基準も考えられる。

慎重にいくならば、むしろTHCの上限値を現行案よりも高くし、問題があれば後から変えればよいかと思います。なぜなら、規制をかけてしまうと不可逆に問題が進行しうるからです。

大麻草のTHC上限値0.3%の基準は国際基準ですが、欧州食品基準の規定をするEFSAは、FDAや FAO/WHOよりも厳しい傾向があり、世界的に最も基準が厳しく、設定された基準には総合的な配慮がなく、日本には日本の今の状況にあった基準(THC 上限値)を総合的に考えて決めるべきです。

現行案のTHC上限値では、加工など様々な背景を考慮すると業者ですら意図せず上限値を超えることがあり、業者が上限値を守れても、消費者が使用や保管の過程で上限値を意図せず越えさせてしまう可能性があります。

全文は下記URLから読めます。

https://drive.google.com/file/d/1QBLt977gqeKTU0Yr-TBdHnNdfCGaJdSS/view

皆さんで意見発信(パブリックコメント)をしよう

政府は過去にパブリックコメントを数千件以上募集していますが、1件も集まらないことが大半だそうです。

実際に2014年ごろ行われた「エネルギー基本計画」に向けたパブリックコメントでは、18,663件のコメントが寄せられ法案が覆っています。

今回も皆さんの行動次第で覆す希望はあります。今こそCBDユーザー全員が声を挙げる時です。

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