CBDとは

CBDとは

 CBDとは:CBDってなに? 

CBD(カンナビジオール)は大麻(ヘンプ) から抽出される成分のひとつで、カンナビノイドと呼ばれる生理活性物質群に分類されます。

カンナビノイドは既に150種類以上見つかっており、CBDの他にもTHCやCBNやCBGなどが有名です。

 

 名称 CBD(カンナビジオール) THC(テトラヒドロカンナビノール)
化学式
リラックス作用 ハイにする作用
主な作用 うつ・不安・パニック障害・痛み・肌トラブル・不眠症など 鎮痛・催眠・食欲増進・抗がんなど
副作用 ほとんど報告されておらず、依存性もない。WHOも認めている。 依存症、記憶力の低下、運動機能の低下、吐き気など

 

CBDは医療や健康分野で特に注目を浴びており、研究によると睡眠改善、抗不安、抗てんかん、神経保護、抗炎症、抗酸化、鎮痛などの作用が示されています。

 

また、CBDは依存性がなく、安全性が高いということがWHOの報告書でも示されており、危険な副作用もほとんど報告されていません。

なお、大麻が人をハイにするのはTHCという成分に由来しており、CBDにこのような作用はありません。

 

CBDの効能:CBDって効くの?

CBDの効能については、以下のような作用がある可能性が示されています。

・抗けいれん作用

・抗不安作用

・睡眠改善効果

・ストレス緩和

・依存抑制効果

・神経保護作用

・鎮痛作用

・抗炎症作用

・抗酸化作用

・抗がん作用

 

CBDと適応疾患:CBDで病気の治療はできるのか

実際に臨床研究で様々な疾患に対する治療効果が示唆されています。 

ただし、医薬品として承認を得るには、まだまだエビデンス(研究)が足りていないのが現状です。

てんかんに関しては、CBDが医薬品として承認されている国もあります。 

 

CBDの作用:体内でCBDはどのように働くの? 

エンドカンナビノイドシステム(ECS)

カンナビノイドはECS(エンド・カンナビノイド・システム)に働きかけることが知られています。

ECSとは、身体と心のバランス(恒常性)を保つコントロール指令室のようなものです。
食欲や痛み、体温の調節、感情制御、運動制御、免疫調整などの機能をもち、発達や老化、神経保護、認知と記憶などに関連しています。



カンナビノイドは、以下の生体内の受容体(CB1およびCB2)と呼ばれるものに作用することで、ECSにおける身体と心の機能に働きかけます。

CB1とCB2

CBDは、CB1に間接的に作用するかたちで働きかけ、CB2の信号伝達の増強にも関与すると言われています。

受容体 役割
CB1 中枢神経系において様々な神経伝達調節を行っており、認知、運動制御、食欲調節、鎮痛、脂肪代謝など多岐にわたる生理機能を担っている。
CB2 免疫細胞に多く発現し、免疫機能や炎症の制御に関与する。



図のように、ヒトには多くのCB1やCB2が広く分布していることが分かっています。



その他にもCBDはGABAの調節やアデノシンの増量、セロトニン受容体やPPARγ、TRPV1への作用などに関与することが示されています。

 

CBDの市場:CBDって有名なの?

日本では未だCBDが十分に認知されていないのが現状です。

しかし、アメリカでは国民のほとんどがCBDを知っていますし、ヨーロッパ、カナダ、アジア太平洋地域でもCBDの需要が高まっています。

ギャラップ世論調査では、2019年時点で既にアメリカ人の3分の1がCBD製品を使用したことがあるという結果が出ています。

日本の市場

日本国内では、2022年8月に株式会社矢野経済研究所が発表したレポートによると、医薬品や素材を除くCBD関連製品の小売売上高のみでも、2025年には約830億円まで国内のCBD市場が成長すると予測されています。

世界の市場

一方、アメリカはCBD市場において世界最大の規模を誇ります。2018年には既に、アメリカのCBD市場は10億ドルを超え、健康食品、サプリメント、化粧品、ペット用品など様々な製品にCBDが使用されており、消費者の関心と需要が高まっています。

 

アメリカのカリフォルニア州(人口3000-4000万人)では、カンナビノイドの原料ともなる大麻の売上は2020年頃で約44億ドル(約5000億円)となり、2025年には57億ドルに成長する見込みです。

さらにアメリカ全土、そして世界での大麻関連の市場規模は、より大規模なものとなっており、現在も成長し続けています。

CBDの研究:CBDの研究は急激に伸びている

また、CBDの医薬研究論文の投稿数も1990年代から現代にかけて急激に伸びてきました。



これは、この時期にCBDなどのカンナビノイドが生体内で生理学的に重要な役割を果たすことが医学的に示されたからです。最近の2018年以降の論文数の急増も注目に値します。

 

CBDの安全性:CBDって安全なの?

CBDは一般的には安全性が高いと考えられており、依存性や離脱症状、陶酔作用が認められておらず、WHO(世界保健機関)の報告書にも「CBDは公衆衛生上の問題も濫用の危険性もない」と明言されています。

ただし、以下の点に留意する必要があります。

副作用

CBDは口の渇き、眠気、頭痛、胃腸障害、動悸、血圧低下などの副作用が報告されています。ただし、いずれも軽度で一時的なものだと言われています。

薬物間相互作用

CBDは他の薬と併用する場合、薬の種類によっては併用による悪影響が生じる可能性があるため、注意する必要があります。

そのため、既存の薬と同時併用する場合は、医師に相談し、適切な投与量や使用方法を確認することが重要です。

使用者の問題

妊娠中や授乳中の人への影響に関しては十分な研究がされていないので、注意が必要です。

また、摂取量によって誘眠作用があるため、運転前や危険な作業の前の使用にも注意が必要です。

その他、低血圧や胃腸関連の基礎疾患などがある場合には、使用量や使用を控える必要がある可能性もあります。

品質の問題

CBD製品の安全性は、製造プロセスや品質管理によって左右されます。

特に最終加工品の分析検査を実施している販売業者からの製品購入が安全です。

CBD製品の市場には品質のばらつきや違法な商品も存在するため、信頼できるメーカーから製品を選ぶことが重要です。

 

まとめ

CBD(カンナビジオール)とは

大麻から抽出される成分で、カンナビノイドの一つ。CBD以外にもTHC、CBN、CBGなどが存在する。

CBDとTHCの違い

CBDはリラックス効果があり、不安や不眠症などに効果がある。THCは人をハイにする効果があり、鎮痛や食欲増進などの効果がある。

CBDの効果

睡眠改善、抗不安、抗けいれん、神経保護など多岐にわたる。

CBDの働き

エンドカンナビノイドシステム(ECS)に作用し、身体と心のバランスを調整する。

市場の状況

日本ではまだ完全に認知されていないが、アメリカやヨーロッパでは非常に人気。特にアメリカでは大きな市場を持つ。

CBDの研究

1990年代から研究が増加し、多くの医学的な効果が発見されている。

CBDの安全性

一般的には安全で、WHOもその安全性を認めている。ただし、併用時の薬物相互作用や妊娠中の使用、品質の問題には注意が必要。

 

以上、CBDについての説明でした。

CBDの持つ効果と安全性に関する知識は日々進化しており、今後の研究とともにその真価がさらに明らかにされるでしょう。

私たちはその変化を注視し続け、健康や医療の新たな可能性を追求していきたいと思います。

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